主人公は浮気調査がメインの私立探偵、ハーヴィ。小説家として身を立てたいと思いつつ、日々の暮らしに追われ、
なかなか思うにまかせないでいます。その上、彼女には二股かけられるわ、浮気調査という仕事自体にもすっかり嫌気がさしています。
その親友、イーサンは、ふとしたことで、ロシア美女、カーチャと出会い、すっかり彼女の虜。美人でしっかりものの奥さんと可愛い娘がいながら、不倫街道まっしぐらです。
そもそも、インターネット結婚紹介で、オーストラリアにやってきたら、夫候補が死んでいた、というカーチャ。
オーストラリアに居続けるためには、結婚でもしてビザを取得しなければロシアに帰らなければいけない、という
事で、イーサンはハーヴィに、カーチャとの偽装結婚してくれるよう申しでます。
一旦は断るハーヴィですが、いろいろな事が重なったあげく、ほとんどヤケクソのようになって、イーサンの申し出を受ける事になります。
イーサンの妻の目を盗みつつの情事に倦んでいくカーチャと、そして心ならずもカーチャに惹かれていく、ハーヴィ、そして二人は? といった、ラブコメの王道のような展開の楽しい映画です。
話の筋や展開に目新しさなどはそれほどなく(オーストラリアのロシア移民社会とか、ユダヤ教の結婚式などというのは多少、エキゾッチクかもしれませんが)とてもオーソドックスで、クラシカルなロマンティック・ラブコメディです。
ノリのいい音楽と、俳優たちの魅力で見せる映画と言ってもいいかもしれません。
特筆すべきはやはりヒューゴー氏の「可愛らしさ」と、デイヴィッドの結構オヤジな所、そしてカーチャ役のNatalia Novikova嬢の魅力でしょうか?
ヒューゴー氏の演ずるハーヴィは、女性とか結婚とかに夢と希望を持っている、純情可憐な40男。今どきこんな人がいるのかどうか、というのはさておき、お人好しでちょっと何かと腰が引けていて、それがゆえに割くってるタイプだった彼が、それでも自分が一番欲しいものが何かという事に気付いていき、最後には粘り腰でカーチャをくどき落とす所は、さすがラブコメ。最後の大団円での笑顔がステキです。
一方のデイヴィッド演ずる、イーサンは、「不倫している事に酔っちゃって」いて、自分しか見えてません、状態。あげくの果てに、自分の友人に、偽装結婚してくれるよう頼み込むあたりのある意味、傲慢さとちゃっかりさには言葉もありません(笑)。妻とは今イチなんだ〜などと言いつつ、それでいて妻と離婚しようともさほども思っていないあたりや、「私たちこれからどうなるのよ」的なカーチャに、その場しのぎの言葉で、なんとかなだめようとするあたりなど、いかにも、な「浮気している男」です。あまりに典型的すぎて笑えるくらいの役所ですが、それがイヤミにならないあたりも彼の魅力の一つでしょう。
それでも、自分がいかにハーヴィを傷付けていたのかがわかると、きちんと謝るあたりなど、基本的には
苦労知らずの坊ちゃん系という感じもします。
しかしメガネかけているときと、かけていないときとで顔の造作が違いすぎるよ〜、なデイヴィッドです。
そして、ナタリア演ずるカーチャは、「ゴージャスなロシア美女」という役どころがぴったりの、
押し出しの強いべっぴんさんで、イーサンや、ハーヴィが惹きつけられるのが当然、納得、といった、
ロシア訛り?なのかちょっと舌ったらずな感じの英語も可愛らしい、コケティッシュな魅力に満ちあふれています。
とにかく、難しい事を考えずに、恋のかけひきと行方を楽しむが吉、の映画です。
公式サイト:
http://www.lot47.com/russiandoll/index.html
キャストプロフィール、レビューなど。前はここにトレイラーとクリップが置いてあったのですが、現在リンク切れ。かろうじてフォトギャラリーは残っています。
トレイラー:
http://videodetective.com/home.asp?x=y&SpeedTestResults=144000&Published
ID=423535&AltID=&CustomerID=14817&WM=False&Ads=True&Play=TRUE
アーカイブサイトにあったトレイラー。この映画の雰囲気が良くわかる、可愛らしいトレイラーです。