Fellowship of the Ring


字幕

5年ぶりくらいの映画館で大画面の鑑賞になりました(時間がないを言い訳に最近劇場に足を運んでいなかった・・ でも本当に大画面はいい。迫力!)。でももーーっと大きい画面でみたかったかも(笑) おおざっぱな感想としては、うわあああああホビットだよ〜ホビット庄だよ〜あの世界がこんな映像に〜〜 でなんかきちんとした感想にならないな・・まあ一番感じたのは「旅の仲間」がこんなに盛り上がりの 多い映画になるとわ! 
最近読み返ししていなかったせいもあって旅の仲間はまあモリア以外で (アクションの)そうそう見せ場があるとは思っていなかったからな。原作のエピソードを 一生懸命詰め込んだせいか(爆)休む間もなくアクションが続いた感じ。 まあ文章で闘いのシーンを読むのとビジュアルで闘いのシーンを見るのとでは随分受け取り方が違う訳で、帰宅後チェックしてみると 確かにアクション多かったようだ。 3時間という上映時間は確かに長いですが、長さはあまりカンジさせずぐいぐいひっぱられる。ただアクションが多くて 休む間がなく、ちょっと辛い感じ。アクションの部分はともかくとして、粥村とか、 裂け谷とかロスロリアンでのゆったりした部分がほとんどなくなって いたのでとても急いだ印象になってしまった感じがした。 というかエルフ時間が感じとれなくて(特にロスロリアン) 残念。あの「死せる定めのものたちの時間から解離した」感じが あの短さでは伝わってこないというか。ガラドリエルの解釈もちょっと 違うような気がするし。エルフはもっと浮き世離れした印象を持っていたのだがなんか人間くさい・・ 人間の俳優が演じている以上しょうがないことなのだろうけれど。 ロスロリアンと言えば思っていたより硬質のイメージで造られていたので ふーんという感じ。もう少し金色がまじってても良かったと思うのだけれど。秋のイメージの裂け谷と違いを出すためにはこうしないといけないのかな? あとなんかロスロリアンが狭い感じがした。もう少し広がる感じを出して欲しかった。

キャストに関しては 原作より出番の多い人少ない人(もちろん出てこない人も)あったが キャラクターがそれぞれまずまずらしくて感動的。 一方の敵方の方も怖いし、オークとかトロルとかかなり怖い (小さい子供だったら夢にでてきそう(苦笑)) ただアルウェンとガラドリエルに関してはかなり自分の持っていたイメージからのずれがきつかった。 これは「映画版だから」と思う事にしてもちょっと、という所。でもどちらかというと俳優さんのイメージずれ、というよりはこの映画における ガラドリエルやアルウェンというキャラクターの取り扱い方が原作からずれているような感じ、かな。 アルウェンは〜実は予告編を観たとき「エオウィン??」とか思ってしまったくらいだし。 なんかキャラかぶりしてないか?? あの勇ましさ。 あんまし「夕星姫」という感じがしなかったな(笑) エルフの姫なんだしもうちょっと「静」の美しさを出しても良かったと思うのですがね。 勇ましさはともかく(笑)、指輪本編でのアルウェンの出番はそれほど多くないですけど、二つの塔、エオウィンとアラゴルンのからみを考えるとあの時点で積極的に出しておかないと今後の説得力がないかも とは思いました。しかしグロールフィンデルの立場は…(笑)

男優陣はあまり文句なし。 ガンダルフとかはもうイメージまんま、という感じ。すごい!  フロドはあまりホビットらしからぬ感じがしたが(ちょっと眼が印象的すぎ…)指輪の力に引きずられるあたりは なかなかだったし、映画版フロドと考えて○。でもあれで いろいろ傷つけられて2年後くらいに灰色港というとちょっと痛々しい な…映画だと33才の誕生日直後に出立という感じだし? なんかオトナになったばっかなのにもう…ってこれはちとおばさんのセリフ かなあ。 メリーとかピピンは可愛いくて結構らしかったかな? レゴラスは本で読んだ時よりもすごくアトラクティブ(笑) 雪山でみんなが雪に埋もれてるときにらくらく〜という感じで歩いてる とことか「おーエルフらしい〜」とか思っちゃったし、「えーっ こんな至近距離でも弓でやっつけられの〜〜」とか(モリアの広間で の接近戦カッコイぞ!)。さりげなくエルフらしくってなんか良かった。 アラゴルンはちょっと優男すぎかな〜とか思ったが、でも エルフの殿に見まごうばかり、だった方な訳だからまっいいか〜とか(笑) 原作のアラゴルンより30才くらい若いんだ映画はっ と思う事に した(笑) もっと風雪にさらされた風体にして欲しかったような …これじゃあキャラ萌えしちゃうじゃないか〜〜!!!(爆)

映画で思った事は「ホビット」は「小さい人たち」なんだな〜 って事。映像で伝えられるインパクトはやはりすごい。 粥村もといブリー村で「大きい人酔い」(そんな言葉あるか?) しているホビットたち、とか、ボロミアと剣の稽古してもらってる メリーとピピンとか、うわ〜ホントに小さい人だ〜って。 原作を読んでいた時はホビットの視線で読んでいたからあまり気付かなかった んだと思うが、映画は人間のオトナの目線で観てるんだな〜としみじみ 思ってしまった。そうしてみると、いくら大人であっても大きい人たちはホビットたちを 「小さきもの=弱きもの=守るべきもの」という風に感じてしまうかもしれない・・・ (そういえばブリー村で戸を開けて貰うところで人間用ののぞき窓とドワーフやホビット用の のぞき窓があるところが何気にツボった(笑))

映画は全般に指輪の世界を分かりやすく映し出してくれていると思う。 イシルドゥアのくだりとか一生懸命説明してし、ガンダルフの行動とか 同時進行でやってすごく分かりやすくはしてると思う。けれどそれでも 原作未読者には今ひとつぴんとこない感じかもしれないし。 何故指輪は滅ぼされなければいけないのか? という所が伝わって こないかもしれないな〜と思う。「なんで昔みたいに エルフと人間と合同軍で闘わないの?」 とかそれこそボロミアのように 「指輪を使ってサウロンやっつければいいのに〜」とか 指輪の力、というものがとても扱いきれるものではない、という所が ちょっと弱い感じがした。 あとホビットの位置づけとか良くわからないかも。ホビットとエルフと人間の位置関係みたいのがちょっとわかりにくいかな 普通の人は「なんかロールプレイングゲームの設定みたいな話しだねぇ」 と言って終わってしまうのかも(涙) (思わず「ち、違うのよ指輪は指輪は違うのよぉぉぉぉ」と嘆いてしまった) 原作の映像化という点では8割で合格!と思うけど、 単品の映画としてどうかというと、一般の人(特に日本の) ウケはどうかというとちょっと考えてしまうな〜と思った。ほぼ原作の通りに造ってるので、原作未読者は 「え? これで終わりですかあああ?」 状態になる人もいるかもしれないし。一本の映画として評価すると 良い悪いは微妙、というかかなり評価が割れてしまうかも。 3本観てみないと最終的な評価は下せないかも。 でも「中つ国」造られ具合はすごいのでもう2,3回観たい。 おまけ:エルフ語の所は字幕だと横の英語の字幕と縦の日本語の字幕があってうっとうしい。

吹き替え

感想:分かりやすい

というか(笑)吹き替えだと映像そのものに集中できる。単純に 2回目のせいなのか、日本語のせいなのかは不明だが映画の世界についていくのがやはりラク。 字幕は字数に制限があるからしょうがないのだろうが、もう少し世界観の部分を 省略しないでくれると良かったのになんて思ったりして。 でも吹き替え聞いていても、 原作では5頁ぶんくらいの事をたった一言のセリフで片づけて後は出てこないとか、一つのセリフに原作の3〜4つ分の セリフが凝縮しているというか、なんというかセリフの密度がものすごく濃い様子。 一つ聞き逃すと、後の行動が「あれはなんで〜〜??」って事になりそうな 所がいくつもあったし。 それだけに字幕の、普通であればちょっとした省略でしかないであろうものが、のちのちの伏線の省略や、物語のわかりにくさにつながっているというのは残念な気がした。「何だちゃんとセリフで言ってるんじゃないか〜」ってのが結構あった(^^;) いろんな意味で字幕はきついのかも。どうしても伝える事のできる情報は限られてしまうからな〜。 なんだか気に障っていたアルウェンやガラドリエルは 大分印象が変わった。どちらかというといい方向へ。
でも某所でみたスクリプトを読むと吹き替えもちょっと意味ずれてるんじゃ? という所があるので一番いいのはやはり英語力を鍛えることなんだろうなあ。 声優さんはいいんだけど、やっぱり俳優さん本人の声がいいしなあ・・・ アラゴルンの声は特にヴィゴ=モンテーセン本人の方が良かった。

アラゴルンの映画設定のことがちょっと気になった。映画ではゴンドールの王位を自ら放棄した、 って感じで、それがちょっとなんだかな〜という感じ。 アラゴルンは自らに課せられたものを放棄する人じゃないのに〜 アラゴルンはイシルドゥアの子孫なので北方系の 王国の王の末裔。北の族長としての仕事はしているし、血統からいけば ゴンドールの王位を継ぐ事は可能だけれど一応国は違っちゃった訳だし。従兄弟が死んじゃってて、伯父さんちが誰も継ぐ人がいなくって 血筋って事から行くとオレなんだけど、オレもウチの長男だからなあ〜 ま、本家も分家ももうナシって事にしてオレが両方継ぐしかないか〜 ってカンジ?(笑)(ただエレンディルが上級王を名乗っていた あたりがあるのでちょっと微妙・・逆の立場(ゴンドールの王様がアルノールの王位を継ぐというのは) だったらどうだったのかな・・ありえないか) 彼が建てるのは北と南の国の統一王朝で、 大体「予言されているが今は時期ではない」人だった訳だから、ちょっと映画のアラゴルンの 設定は今ひとつ承伏できないのであった(笑)まあ悩める王子さまアラゴルンもちょっとツボ入るが。